沖縄美ら海水族館

沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館は2002年11月にオープンして以来、沖縄観光には欠かせないスポットの一つとして人気を博している。

「世界一と世界初がここにある」とキャッチフレーズにあるように、世界で初めて成功したともいわれるジンベイザメの複数飼育やマンタの飼育、そしてサンゴの飼育を見る事が出来、また、世界最大を誇る巨大水槽も見ものだ。

沖縄周辺の海で見られる生物を中心に収集しているところも沖縄の水族館ならではであり、沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館は、沖縄の海の美しさを堪能出来る施設と言っても過言ではない。

いよいよ水族館へ、、、

沖縄美ら海水族館(以下、美ら海水族館)は海洋博公園内にあり、中央ゲートから歩いて約5分ほどの場所に位置している。

水族館の入り口の近くには巨大なジンベイザメのモニュメントがあるので、それを目印にして行くと良いだろう。

そのジンベイザメのモニュメント付近にある海人門(うみんちゅゲート)をくぐり、早速水族館内のロビーへ、、、。

美ら海水族館のロビーはコーラルロビーと呼ばれ、なんでも琉球石灰岩で出来ているのだそうだ。

ロビーはとても白く輝き、まるでどこかの高級ホテルにいる感じさえした程である。

コーラルロビーでは、館内の案内を初め、入館券の販売や年間パスポートの発行なども行っているが、入館券は自動販売機で購入出来るようになっている。

また、音声ガイド(PDA:携帯情報端末)の無料貸し出しも行っており、予約をすれば、ロビー内の年間パスポート発行口で借りられる。(但し、音声ガイドは一日100台限定。)

音声ガイドからは各水槽の詳しい解説が流れるようになっているが、 日本語版以外にも、英語版、中国語版、韓国語版が用意されており、英語・中国語・韓国語圏からのゲストをもてなす際には心強い助っ人になってくれる事間違いなしだ。

イノーの生き物たち

ロビーには改札ゲートがあり、自動改札口に券を入れると、入館出来る仕組みになっている。

駅のような雰囲気が出ている上に、改札ゲートをくぐると、すぐ目の前にはちょっとした浅瀬の景色が広がっており、何だか海の旅に出たような感じでとてもいい。

まず、ゲートに一番近いコーナーでもある、「イノーの生き物たち」というタッチプールに寄ってみることにした。

イノーとは沖縄の方言であり、意味はサンゴ礁に囲まれた浅い海、すなわち礁池のことをいうのだそうだ。

このコーナーでは、ヒトデやウニ、そしてナマコ、貝、小さな魚たちなど、イノーで見られる生き物を扱っており、実際に触れながら観察する事も可能である。

タッチプールのすぐ側には手洗い場があるので、心配なく触れられるのも嬉しいが、生き物は水から上げると弱ってしまうそうなので水の中で触れる事を心がけたい。

また、解説をしてくれる係員は常時いるが、飼育担当の方による、水中カメラを使っての詳しい解説は10:00と14:00に行われるので、これも要チェックだ。

サンゴの海と熱帯魚の海

ここには、海から汲み上げた水が水槽に入って、再び海に返るというオープンシステムを採用した水槽があり、サンゴを初め、サンゴと共生する生き物たちの姿が見られる。

なんでも、ここのサンゴたちは5年以上から最長10年もかけて飼育されたそうで、その数も約70種800群体余りだとか!

このようなサンゴの大規模飼育も世界では初めてだそうだ。

水槽をオープンエア式にする事によって、サンゴに必要な太陽の光が水槽内に差し込む仕組みになっているが、自然の光に照らされるサンゴ礁と、沖縄近海、太平洋、インド洋などの海で見られる約200種ものの熱帯魚たちのカラフルな姿はとても神秘的で、見る者の目を楽しませてくれる。

毎年6月にはサンゴの産卵も確認されているようだが、将来は、ここで繁殖したサンゴを海へ還す計画もあるそうだ。

10:30、12:30、14:30に行われるサンゴの解説は是非チェックしておきたい。

また、「熱帯魚の海」のコーナーでも11:00と15:30に解説があるが、給餌の時間(13:00)になると、いつもは岩陰に潜んでいる夜行性の魚も姿を現すそうなので、こちらも要チェックだ。

様々な生き物と美ら海シアター

美ら海水族館は斜面を上手く利用して建てられており、3階の入り口から1階の出口へ下りる感じで順路を進む。

 階段ではなくスロープなので、いつのまにか階が変わっている事もあるが、下っていく毎に、礁池→黒潮→深海と次第に深い所へ旅する形で構成されているところは面白い。

 2階から1階にかけては、チンアナゴなどサンゴ礁に棲む生き物を集めた「サンゴの海 個水槽」、サンゴの成り立ちからサンゴ礁の危険生物までを解説した「サンゴの部屋」、そして、沖縄の河川で見られる生き物たちを紹介した「水辺の生き物たち」コーナーなどがある。

 そしてさらに、マングローブに棲む生き物たちを紹介した「マングローブの生き物」のコーナーや、危険ザメの水槽を中心に、サメの歯や皮膚などの標本などが展示されている「サメ博士の部屋」などもあり、為になる知識も盛り沢山だ。

 例えば「サンゴの部屋」では、ハブクラゲなどの危険生物に刺された時の救急処置方法やサンゴの体のしくみを学ぶ事が出来、「水辺の生き物たち」のコーナーでは、かつて食用・ペットとして沖縄に持ち込まれた生き物を含む外来種や、一度絶滅したリュウキュウアユなどの在来種に関して知る事が出来るといった具合である。

 このように、海に棲む生き物だけでなく、河川やマングローブに棲む生き物にもスポットライトが当てられる事で、海だけが沖縄ではない事を改めて実感させられた人も多かったのではないかと思う。

 これらのコーナーの素晴らしさもさることながら、私が個人的にお勧めしたいのは「美ら海シアター」である。

 沖縄の海で見られる様々な生き物などをハイビジョン映像で紹介するだけでなく、上映が終了した後の仕掛けが感動的だ。

 「美ら海シアター」は、美ら海水族館の目玉ともいわれる「黒潮の海」を観る前に観ると更にいいだろう。(通常は、10:00から16:00まで1時間おきに20分間上映されるが、土・日・祝祭日および夏休み期間中は特別に臨時上映もある。)

 尚、「美ら海シアター」では、英語圏、中国語圏、韓国語圏の方々の為にラジオ(通訳の音声を受信するラジオ)を無料貸し出ししているので、必要ならば「美ら海シアター」の受付にて問い合わせてみよう。

美ら海水族館の目玉、黒潮の海へ

海の旅も次第に深くなり、次は「黒潮の海」へ、、、。

 ここの目玉は何と言っても、高さ8.2m、幅22.5m、厚さ60cmの巨大アクリルパネルを施した巨大水槽だろう。

 なんでも、ギネスブックに認定されたほどの大きさだそうで、水槽自体は、幅約35m、奥行き約27m、深さ約10m、海水容量は約7500tにもなるという。

数字ではちょっと実感出来ないが、約7mのジンベイザメが3匹も悠々に泳げる程と言えば、その大きさを想像出来るのではないかと思う。

ジンベイザメと言えば、美ら海水族館のスターである事は一目瞭然だが、繁殖を目指した複数飼育を実現させたのは、今の所美ら海水族館だけなのだとか、、、。

その他、マンタ(オニイトマキエイ)の複数飼育も世界で初めて実現させるなど、美ら海水族館の見所は実に多い。

 11:30と13:30にある解説も必見だが、 15:00にある給餌も見逃せないシーンだそうである。(給餌以降は暫く水が濁るそうなので、給餌前の光景も予め見ておきたい。)

「黒潮の海」の大きな水槽を目の前にすると、まるで自分が海の中に居るような錯覚さえして楽しいが、下からの眺めを楽しめる「アクアルーム」もお勧めだ。

 「アクアルーム」はカーブ状になっており、前面は勿論、頭上までの景色を楽しめるようになっている。

ジンベイザメやマンタの悠々と泳ぐ姿はまるで宇宙船のようにダイナミックであり、自然光を受けて光る魚たちの群れも美しく、出来ればずっと見ていたかった程だ。

また、「アクアルーム」にはちょっとした恋のジンクスもあるようで、意中の人と「アクアルーム」で一緒に座って水族館を眺めると恋が叶うのだとか、、、。恋のジンクスが必要な方、是非試してみては!?

大水槽の側にカフェ!

ムードたっぷりの施設は「アクアルーム」だけに留まらない。

 巨大な水槽のすぐ側にはなんとカフェがあり、食事をとりながら悠々と泳ぐ魚達を眺める事も出来る。

 カフェの名前はCafé Ocean Blueといい、まるで海中にいるような雰囲気はその名に相応しい。

Café Ocean Blueでは、スパゲッティーナポリタンやワッフルなどの軽食を中心に、デザート・ドリンクなども販売しているが、タコライス、コンビーフ&ゴーヤーサンド、タコスサンド、パインジュース、アセロラジュースなどの沖縄ならではのメニューも楽しめるようになっている。

いよいよ深海へ、、、

水深200mから1000mにも及ぶ深海に棲む生き物たちを集めた「深層の海」や「深海個水槽」、深海の生き物について学べる「深海探検の部屋」の他、ジンベエザメとマンタに関する貴重な資料が盛り沢山の「ジンベエ・マンタコーナー」や、飼育係員が実験を通して海の生き物について解説してくれる「わくわくアクアラボ」(11:00と14:00の2回で、1回につき約15分。)など、深海のコーナーも充実している。

深海ゾーンは太陽の光が差す事も無く、一層暗くなっているのだが、その暗さを利用して楽しめるコーナーと言えば、やはり「海のプラネタリウム」だろう。発光器がついている魚や発光するサンゴなどが展示されており、その様子は夜空に舞う星々のようでなんともロマンチックだ。

 それから、「ジンベエ・マンタコーナー」に足を運んだ際には、当コーナー受付で是非「黒潮探検(水上観覧コース)」の予約をしよう。

 その名の通り、「黒潮の海」の大水槽を上から眺めるガイドツアーで、1日10回実施されるそうだ。(夏休み期間中は、1日12回。)

 但し、受付は1日4回(夏休み期間中は、1日5回)で、1回につき15名限定なので早めに予約を入れておきたいものだ。

 また、参加希望者本人による当日受付のみなので、その点も留意したい。

再び・・・

こうして、私の海の旅は終わりを迎えたが、出口で再入館を希望したいと申し出て、手にスタンプを押してもらった。(当日の再入館はO.k.!)

 沖縄美ら海水族館は、何度行っても飽きないと聞くが、近いうちにまた足を運んでみたいものである。

施設情報

入場料

大人:1800円、高校生:1200円、小・中学生:600円
大人団体:1440円、高校生団体:960円、小・中学生団体:480円
 *20人以上からは団体料金で利用出来る。
 *学校割引:20%割引(事前申込みが必要。)
 *団体割引:20人以上で20%割引
 *身体障害者手帳、療育手帳ならびに精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方は無料で入場出来る。(手帳の提示が必要。)

年間パス
 大人:3600円、高校生:2400円、小・中学生:1200円

営業時間

春・秋期間(下記以外の期間) 9:30~17:30 
夏期間(7月20日~8月31日) 9:30~18:30
冬期間(12月2日~2月末日) 9:30~17:00 
*入館締め切りは閉館時間の1時間前。

休園・休館日

12月の第1水曜日とその翌日

Café Ocean Blue

営業時間9:30~閉館時間30分前
※クレジットカードは利用不可。

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